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原発停止による電力料金値上げの影響

 

こんにちは

今日は関西電力の経営状況と、関西経済に与える影響について書いていきます。下の図は関西電力の単独損益計算書です。ご覧の通り最新の平成26年度(2015年)の損益は約1300億円の赤字でした。

それでは平成22年から平成26年までの営業収益と営業費用の推移を見ていきましょう。

はじめに営業費用を見ると、平成22年と比べて23年に大きく増加しています。これは東日本大震災による原発事故の影響が考えられます。

この事故のため関西電力管内の原子力発電所の稼働をストップせざるをえなくなりました。とくに関西電力の電源構成は2010年度で約半数が原子力に依存しているという状況でした。ほかの電力会社の原発依存度を見ると北海道電力、中国電力、四国電力で約4割、その他の電力会社は3割以下の水準となっており、関西電力の原発依存度の高さがわかります。

そんな中で原発を停止せざるをえない事態になってしまったのです。関西電力は原発の代わりに火力発電所をフル稼働させたり、他の電力会社から電気を分けてもらうという措置を取りました。その結果、燃料費の増加、そして他社からの電力購入費の増加をもたらしてしまいました。

もちろん原発事故を起こした当事者は東京電力だったのですが、その当事者(原発依存度3割)よりも関西電力の方が業績上大きな被害を被ってしまったわけです。

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表① 関西電力 単独損益計算書表より (単位百万円)

さて、このようなコストの増加によって表の一番下の営業利益(=営業収益(収入)-営業費用)が大幅なマイナスとなってしまいました。そこで関西電力は平成25年度に10%近い料金値上げを行ったのです。その結果、営業収益(収入)で大幅な増収、営業利益のマイナスも大きく減少しました。

また、この表は電力供給事業単独の損益計算書で、単独では赤字ではあるものの、会社全体としては黒字経営を行っています。そのため会社経営としては特に問題ないように思えます。

しかしながら関西の経済に与える影響という点ではどうでしょうか。料金の値上げは当然家計を圧迫します。家計が圧迫されると、電気料金以外での支出が減少します。また、これも当たり前のことですが、企業は生産に電力を用います。すると企業の生産コストが増加して、従業員の賃金が減少したり、雇用を抑制しようとするかもしれません。

つまり、原子力発電所が使用できないということが、じわじわと関西経済の活気を奪っていく可能性も大いにあるということです。そのことも考えながら原発再稼働についてもう一度考える必要性があるのではないでしょうか。

 

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