京都の魔界・化野念仏寺

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平安時代の京都では死者を葬る際「風葬」という風習があった。風葬とは遺体を埋葬や火葬するのではなく、風にさらして風化させるという葬り方である。その際平安京で亡くなった遺体を洛外へ運び出して風にさらしていたという。その場所として、東山の鳥辺野、船岡山近辺の蓮台野、そして今回紹介する化野念仏寺のある嵯峨野の化野である。これら3つの場所は京都の三大埋葬地として知られている。また京都の魔界エリアとしても雑誌などで紹介されている。

そのようないわくつきの土地でもひときわオーラを放っているのが化野念仏寺である。

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この日は毎年8月に行われる千灯供養の日であった。寺の中には数千体の無縁仏が置いてあり、それぞれの仏に明かりが灯されている。この行事は2日間にわたって行われ、京都の風物詩としても知られている。

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実はこの場所、心霊スポットとしても知られている。噂によればよく心霊写真が写るのだという。確かに心霊スポットとしてはいわく十分な場所と言えそうだ。周辺には京都屈指の心霊スポットとして知られる清滝トンネルもある。

しかしながらこの辺りは観光地として知られる嵐山から徒歩圏内にあり、化野念仏寺周辺の街並みは大変風光明媚なものとなっている。この地域を訪れると怖さというよりむしろ美しさを感じる人が多いかもしれない。
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オレンジの光が辺りを幻想的に覆っている。この光からは怖さや呪いといったことは思い浮かばない。むしろ優しさや暖かさという言葉が似合うかも知れない。無数の灯りが暗闇に浮かんでいるかのようだ。こうしてみると、大昔に亡くなった人の魂のようにも思えてくる。

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本尊は阿弥陀如来像(寺伝に湛慶作というが実際の作者は不明)、本堂は江戸時代にに寂道により再建されたものである。境内には約8000体の夥しい数の石仏・石塔がある。これらは明治36年(1903年)頃に、化野に散在していた多くの無縁仏を掘り出して集めたもであるそうだ。また、境内には水子地蔵もあり、地蔵菩薩の縁日には水子供養が行われている。

言い伝えによると、1100年前に弘法大師が如来寺を建ててそれらの遺骸を埋葬したのが、この寺の始まりである。その後、鎌倉時代に法然が念仏道場を開いて、現在の寺名になったそうだ。

この寺の境内にある石仏群はひとつひとつが悲しみを放っているが、その中になにかのようなものを感じる。この土地に纏わる曰くを消し去ろうとするかのように、蝋燭の火が暖かく灯り続けていた。

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