奈良県は人口減少が進行中

奈良県と言えば、近年大阪のベッドタウンとして発展を遂げた地域である。奈良府民なんて言葉もあるくらいで、それだけ大阪への依存度が高い。

次に地形を見てみよう。奈良県は約2/3が森林で覆われている。そのため、人口分布を見るとほとんどが県北西部の奈良盆地に偏っている。

近年の人口の増減をみると2000年まではベッドタウンとして人口が増加した。この間は東京や大阪などの大都市で郊外化が起こっており、都市部から奈良県へ人口が流入したと思われる。

特に県北西部の近鉄奈良線の沿線では大規模な住宅開発が行われ、人口が急激に増加した。例えば平城ニュータウンなどはその最たる例であろう。

さて、下の表は近年の奈良県の人口の推移を現したものである。これを見るとわかるように2000までは人口が増加していた。ところがその後人口減少に見舞われ、2015年の国勢調査で136万5008という結果が出ており、現在も着実に人口が減少していることが分かる。

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奈良県の人口推移  wikipediaより引用

それではなぜ人口減少が起こっているのだろうか。もちろん日本全体の少子高齢化という波が押し寄せているということは間違いないが、その他の要因で奈良県の特性に関するものとして2つ挙げられる。下の地図を見ながら説明していくことにする。

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wikipedia より引用

この地図は2005年と2010年の間の市町村人口の増減率を表したしたものである。緑色が人口の増加した市町村、赤色が人口の減少した市町村である。それぞれ色の濃い方が増減率も高くなっている。

これを見ると県南部、県東部の山間部で赤色が多くなっていて、反対に県の北西部で緑色が多くなっている。

▋①ニュータウン開発がひと段落した
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たしかに生駒など大阪に近い県北西部ではいまだに緩やかな人口増加が続いているが、北西部でも人口減少している市町村が見られる。例えば県庁所在地の奈良市やその周辺の大和郡山市でも人口が減少している。これらの市町村では数十年前に大規模なニュータウンが開発された地域で、住宅購入者の子ども世代が都市部に出て行ったということが考えられる。また、近年は都心回帰のトレンドがあり、郊外の人気が落ちてきているということも要因として考えられるだろう。

▋②利便性の低い山間部で人口減少が深刻化
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先にも述べたように、奈良県の2/3は山間部である。その山間部では他の地方と同様過疎化が進行し、若年層は県内の利便性の高い地域、あるいは県外へ人口流出しているものと考えられる。また、高齢化によって出生数が減少し、人口の自然減少も起こっている。

以上の要因によって奈良県は人口減少の局面を迎えている。

最近では団地で孤独死の問題になっているが、ベッドタウンとして開発された街は、街が古くなると人が出て行き、空き家が増えて衰退していくという運命を辿るところは多い。もちろん生駒市や箕面市、芦屋市など住宅街としてのブランドが確立された場所なら別だが。

やはり産業のないところに街を作ってもいずれは衰退していく。奈良の産業と言えば観光だが、ほかにはこれと言ったものは見当たらない。ベッドタウンとして発展した奈良県の今後はどのようになるのか。

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