もうすぐ閉鎖 赤レンガが美しい奈良少年刑務所を訪れた

明治政府が建設した五大監獄のひとつとして知られる奈良少年刑務所はこの春、閉鎖されます。原因は老朽化ですが、歴史的価値のある建物は閉鎖後も保存されることが決まっています。もうすぐ少年刑務所としての役割を終えるということで、一度目にとめておきたいと思い現地に行ってきました。

今年春に閉鎖

奈良荘園刑務所は奈良市の住宅街の中にあります。奈良少年刑務所の前身は奈良監獄で、1908に竣工した山下啓次郎設計による赤レンガが特徴的な建物です。建物は外部、内部ともに煉瓦造りで、建設から100年以上経過しています。過去には日本政府が1910年のロンドンで開かれた日英博覧会に奈良少年刑務所(当時の奈良監獄)の模型を出展するなど、日本の近代化、西洋化の象徴としても捉えていました。この奈良少年刑務所ですが、2016年7月には年度末をもって少年刑務所としての役割を終えることになります。

保存へ向けた動き

2014年10月、奈良少年刑務所の建物の重要文化財指定と保存を求める団体「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」が発足した[3]。会長は設計者山下啓次郎の孫である山下洋輔。
2015年6月、日本建築学会が「奈良少年刑務所の保存活用に関する要望書」を出した。
2016年5月、奈良少年刑務所の立地する地元自治会が、刑務所建物の重要文化財指定と保存を求める要望書を出した[4]。
2016年6月、奈良県議会が「奈良少年刑務所の洋風建造物を重要文化財に指定し存続することを求める意見書」を可決した。
2016年10月、文化審議会が「旧奈良監獄」という名称で建造物19棟(17棟・2基)と土地を重要文化財に指定するよう答申した。官報告示を経て正式指定となる[5]。
2017年2月、建造物17棟・2基及び土地が国の重要文化財に指定[6][7]。

実際に行ってみた

奈良少年刑務所のある場所は奈良市の般若寺町という場所。奈良市中心部の近鉄奈良駅からは2kmほど北へ行った場所にあります。

実はこの日、廃遊園地の奈良ドリームパークへの潜入を考えていたんですが、フェンスに囲まれており入ることができませんでした。そこで500m~600mほど離れた場所にある奈良少年刑務所を訪れることにしたわけです。

住宅街のすぐ近くに奈良ドリームパークがあるんですが、諦めてせっかく登ってきた道を仕方なく降りていきます。

鴻ノ池という池から東へ向かっていきます。この辺は野球場や体育館、武道館などがあって、地域のスポーツイベントが多く開催されています。

この日はスカッと晴れていたため、森からは奈良市内を一望することができました。

再び住宅街に入り、北上していくと煉瓦の塀が見えてきました。こうして見ると、塀が果てしなく続いているかのように見えます。間違いなくここが刑務所です。

青空に煉瓦がよく映えています。塀の内側にわずかに建物が見えますが、塀があるため建物の上の方しか見ることができません。こんどは反時計回りに周っていきます。

刑務所の向かい側には鑑別所もあって、厳かな雰囲気が漂っています。

少し坂を上ると、立派な門構えの建物が見えてきました。重厚その言葉がピッタリの分厚い塀です。門の前に守衛さんがいたので一応許可を得てから撮影しました。

奈良少年刑務所と確かに書かれています。ここが刑務所の正門のようです。

正門の両脇には煉瓦つくりの立派な塀が続いています。

別の角度からも門を見ます。ちなみに2016年まで年に1回行われていた奈良矯正展では正門から中に入り、塀の向こうにある本館を見学できていたそうです。

おわりに

これまで多くの少年を収容して、更生させてきた奈良少年刑務所はもうすぐ役目を終えます。今後どのような形で保存されるかは分かりませんが、美しい煉瓦造りの建物は後世に受け継がれることになります。新たなかたちで多くの人に親しまれる建物になって欲しいと願います。

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