レンガ造りが美しい旧志津川発電所

京都府宇治市。JR宇治駅から3㎞ほど宇治川を上っていくと、自然豊かな森の中に、赤レンガの建物が見えてきます。実はこの建物、かつての発電所で、大正13年に志津川電気によって運用が開始されました。その後いくつかの電力会社を経たのち、関西電力によって運用されたのを最後に、昭和39年に廃止さました。

廃止になったワケは天ケ瀬ダムができたので、発電もそちらで行う、といういたって明確な理由でした。現在では天ケ瀬ダムによって総出力59万8,000キロワットというとてつもなく大規模な水力発電が行われています。

この日は5月というのに、すでに初夏の陽気。宇治川で涼みながら、少しづつ歩を進めていきます。休日ということもあって、宇治川は釣りやハイキングなどのレジャー客で賑わいを見せていました。

宇治川を関西圏以外の人のために説明しておくと、宇治川とは淀川水系の川で、琵琶湖を流れ出て瀬田川⇒宇治川⇒淀川と名前を変えて大阪湾に注ぎ込みます。流路の長さは75.1km、琵琶湖から流れ出た淀川水系は、まさに関西の水の供給源として重要な役割を担っているのです。

しばらく宇治川を上っていくと赤れんがの建物が見えてきました。森の緑色との相性が抜群です。ここは廃墟マニアやレトロ好きのファンからも愛され、ここまで写真撮影に訪れる人も少なくありません。そして発電所の背後には天ケ瀬ダムの巨大なアーチが見えます。まさに新旧の発電所を、ここからまとめて望めるというわけですね。

次に、もう少し近くから見てみたいと思って写真に写っている橋に行ってみます。どうやら現在工事中らしく立ち入り禁止とのことでしたが、特別に係の人に橋の上まで立ち入らせてもらうことができました。

現在、天ケ瀬ダム付近は再開発事業の真っ只中。約590億円の事業費が見込まれているビッグプロジェクトが進行中です。上の写真は取り替えのため新しくできた橋です。

(1)工事進捗

天ケ瀬ダム再開発事業における工事は、トンネル式放流設備建設、工事用道路整備、桟橋設置、橋梁架替があります。
現在は、トンネル式放流設備建設、橋梁架替工事を行っています。

係の人に付いてきてもらい、古い方の橋へと足を踏み入れてみます。やはり近くへ行くと迫力が違いますね。赤レンガの建物の下には、現役時代に水が放出されていた放流水路管が見えます。

それから志津川発電所に関して、もう一つ忘れてはならないのがおとぎ電車の存在です。志津川発電所側の「天ヶ瀬駅」と上流にある「堰堤駅」まで約3.6㎞の距離を戦後10年間走っていました。

次に向かうのは天ケ瀬ダム。途中つづら折れを登って行きます。峠の上からも志津川発電所がハッキリと見えます。次回は天ケ瀬ダムについてお届けします。

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