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神戸空港民間委託へ

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先日神戸市の久元市長は、神戸空港の民間事業者への運営権委託の時期として、平成30年春を目指すと明らかにしました。6月に運営権売却のための条例案を提出する見込みのようです。民間事業者へ運営権を受託することをコンセッション方式と呼ばれるそうです。

そもそも神戸空港とはどのような空港なのでしょうか。

 

① 神戸空港とは

神戸空港は2006年2月16日に開港し、関西国際空港、伊丹空港とともに関西三空港のひとつを担う海上空港です。神戸空港のよいところはなんと言っても利便性の高さで、大阪の西26km,神戸の中心の南8kmに位置します。神戸、大阪へのアクセスの所要時間は、神戸の中心地三宮までポートライナーで18分、さらに三宮から大阪駅(梅田)までJRの新快速で約21分なので、大阪(梅田)までは40分となります。また、隣接するポートアイランドはハイテク産業、医療産業、研究機関の集積地で、これらの企業、研究機関の立地条件を大幅に改善させました。その結果ポートアイランドに立地する企業、研究・教育機関は開港前の約100から現在は約300まで大幅に増加しました。一方で建設・運営に関してはは神戸市が行っており、建設費3000億円のうち、9割以上神戸市が支出しました。当然、開港前には財政難への懸念のため住民からの大反対にあったようです。

 

②神戸空港の利用状況

次に神戸空港の乗降客数を見ていきましょう。表1は神戸空港における開港時からの乗客数の推移および開港時の神戸市による需要予測です。これを見ると、当初神戸市当局が見込んでいた程の需要がないことが分かります。予測では年々乗客数が増えていくというものでしたが、実際の数字を見ると2007年の300万人弱をピークに、世界経済の減退もあって需要が減少しました。いずれにしても需要予測の400万人には程遠いというのが現状です。

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表1 神戸空港の乗降客数の推移と開港前の需要予測 wikipediaより引用

現在はANAとスカイマークが国内線の運航を担っており、一日27往復の定期便が運航されています。以前はJALも神戸空港を使用していましたが、すでに2009年に撤退しています。

それではなぜ空港の需要が伸びないのでしょうか。この大きな要因は発着制限にあると考えられます。現在神戸空港は国土交通省により一日の離着陸をそれぞれ30回までと制限されています。これは近隣に伊丹空港があるためで、伊丹空港の経営を守るために、後からできた神戸空港は規制を受けているのです。

 

③運営権(コンセッション)の売却へ

さて、このような状況の中、神戸市は空港の運営権(コンセッション)売却へ向けた動きを見せています。これまで仙台空港や関西国際空港も運営権売却の方針を固めているようです。いきなり民営化というのは無理でも運営権(コンセッション)を民間企業に与えることによって、民間の経営手法を取り入れることによる経営の効率化や、新たなアイデアによる付加価値の創造を狙うことが目的です。そして最終的には経営状況の改善に繋がるでしょう。

神戸空港は利便性や環境問題などの点からも非常に優れた空港であり、近隣の空港と比較すると次のような関係がありそうです。

[ 利便性  神戸空港=伊丹空港>関西国際空港 ]  [ 環境  神戸空港=関西国際空港>伊丹空港 ]

そのため、今回の民間委託による経営状況改善もそうですが、政治的な活動も含め現在の離着陸制限を撤廃するような取り組みが求められています。

 

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