京都駅と言えば、京都の玄関口としてよく知られている。97年に完成した現在の駅ビル内には伊勢丹百貨店をはじめ多くの店舗が入居し、賑わいを見せている。また、ここ数年のインバウンドの急増によって外国人観光客の姿も数多く目立つ。
もともとの京都の中心部である四条烏丸、四条河原町界隈から大きく離れたところに立地するにも関わらず、いまやこれらの地域に匹敵するほどの賑わいを見せている。
そんな京都駅界隈だが賑わっているは主に駅北口(烏丸口)である。反対に南口(八条口)はというと人通りもまばらであることが多い。街の雰囲気も京都タワーやホテル、旅館が立ち並ぶ北口(烏丸口)に比べて地味な印象がある。
このように駅南口はどちらかというと京都の裏手というイメージが付きまとう。実際、京都人の間では京都駅から南側は京都市内であっても京都と見なされず、「都落ち」なんという表現がされることもあるらしい。この辺は京都の怖さのひとつといったところだろうか。
このような京都駅南口だが、デッキやバス停などが整備されることになった。
京都市によると人と公共交通優先の「歩くまち・京都」の象徴となる取組として位置付けられているらしい。「歩くまち・京都」では京都市によって公共交通の利用を促進し、自家用車の利用を抑制する取組が行われている。この駅広場の整備によって公共交通の利用を促進しようというのが京都市の狙いのようだ。
それではそれぞれの工事について見ていこう。
▋デッキ
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デッキに関しては現在の駅の南北通路を延長する形で南口に設置されるとのこと。実際行ってみると新たにデッキが設けられていた。下の写真は南北自由通路から南方向に撮影したものである。この日は猛暑であったため設置されているベンチの上からミストが噴射されていた。
下の写真はデッキを外から見たものである。
▋送迎ゾーン
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タクシー乗降場、送迎バス乗降場、一般車乗降場がそれぞれ駅前を東西に走る道路沿いに設置される。下の写真は一般車の乗降場だろう。
他の場所は工事中というところが多かった。完成したらどうなるのか楽しみである。
▋路線バス停留所
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これまで駅南口では路線バスの停留所が分散していた。それを今回の整備でなるべく駅の正面に集約させようとする。写真からもわかるようにもうすでにバス停は使用されているようだ。また、歩道もタイル張りできれいになっており、雰囲気も前より明るくなっている。
今回の整備プロジェクトによって公共の交通機関利用者の利便性が高まることは確実である。
さらに広場が整備されたことにより、街の雰囲気も変わりそうだ。京都駅南口(八条口)がこれまでよりも明るくなり、人通りが増えるかも知れない。さらに新たな商業施設が建設されるかも知れない。
このように街全体の価値を高める可能性を生むのが今回の広場整備プロジェクトである。そして、このようなことができるのは行政だけである。今後も街の価値を高めるような整備プロジェクトが求められている。
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