心霊スポットと言えば、トンネルや墓地、森など、いかにも幽霊が出そうというところを想像する人が多いだろう。しかしそれとは対照的に今回紹介する心霊スポットは都会のど真ん中、しかも地下街に存在する。その名前を泉の広場という。
泉の広場があるのは大阪の梅田の地下街である。大阪を代表する繁華街の地下街というだけあって人通りが多いことは容易に想像がつくが、果たしてそんなところに幽霊が出るのだろうか。というわけで8月31日、夏の終わりに訪問してきた。
梅田の地下街と言えば「ダンジョン」と呼ばれ、迷子になる人が続出するほど道が入り組んでおり複雑な構造をしている。無事に辿りつけるか心配であったが、とりあえず地下へ潜入した。
最初は阪急百貨店の脇から入り、地下街を左へ直進していく。
どうやらこの地下街はホワイティ梅田という地下街らしい。
お目当ての泉の広場は地下街の東端にあるということは知っていたのでこのまま直進する。地下街に入り歩くこと10分ほどでいよいよそれらしき広場が見えてきた。
しかし、広場はあるがお目当ての泉はどこにもなかった。いやな予感を頭がよぎる。
そして地下街の地図を見て、嫌な予感が的中していることに気付いた。
どうやらこの広場はブキャナン広場といい梅田の地下街の北端にあたるようだ。東方向に進んでるつもりが、北方向に進んでいたらしい。
仕方なく来た道を引き返し、泉の広場へ向かうことにした。地下街に入ってもう30分近く歩いたかも知れない。いよいよ泉の広場に到着である。
先ほどの広場と似たような形をしているが、今度はしっかりと泉らしきものがある。泉の端にある銅像から真中へ水が噴射されているようだ。
時刻は8時半頃でまだまだ人通りがあった。この人の多さでは幽霊なんて出るわけがなさそうである。しかしこの場所にもしっかりと幽霊の目撃情報があるというのだから驚きである。その噂とはこの泉の広場を、30歳くらいの赤い服を着た女の霊がうろついているというものである。そしてその女の目は白目がなく真っ黒な目をしていたという。
この場所は過去に何か忌まわしき出来事が起こった場所なのだろうか。例えば大阪の難波では千日前デパートの火災事故があり、その跡地にできた商業施設で幽霊の目撃が相次いでいる。そのような事件事故がこの場所でもあったのかどうか調べたが、インターネットで見る限り確認できなかった。
また、霊感のある人に言わせると、ここにはあまり近づきたくないというそうだ。
しばらく人の様子を観察していたが、特におかしなできごとはなかった。赤い服を着た女の姿も見ることができなかった。
しかしよく考えてみるとこのような場所が心霊スポットになっているということは、逆に幽霊目撃の信ぴょう性は高いのかもしれない。例えば過去に有名な殺人事件があったとか、トンネルなど雰囲気的に怖い場所などは、人々の想像が先行して心霊スポットとさせることが多くあるように思う。しかしそういったこととは無縁のこの場所が心霊スポットとして知られているということは、実際に幽霊を目撃した人が複数人いたからなのではないだろうか。