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本日紹介するのは滋賀県草津市にあるレトロな地下街。この地下街があるのが「エルティ932」という第三セクターが1989年に開発した草津駅前の複合商業施設である。932とはくさつを語呂合わせにしたもので、いかにも第三セクターらしいネーミングセンスだ。この商業施設はお隣の近鉄百貨店や滋賀県民御用達の平和堂の存在もあって、開業以来空きテナントが目立つという状態だったらしい。そこで集客を狙って1995年に地下街に開業したのがばんから横丁というわけだ。
というわけでエルティ932の横の入り口から地下へ降りていく。赤提灯にはばんから横丁と書かれていて目印になりそうだ。
階段を下りていく。もちろん建物自体は現代によくある鉄筋のものである。
中に入るとまず目に飛び込んできたのは、かとり線香アース渦巻の看板。由美かおるという昭和の大スターがお出迎えしてくれた。
このバンカラ横丁内はぐるっと一周中を回れるようになっており、入り口から右回りで紹介していく。
まずは居酒屋チェーン店の見聞録の文字が見えてきた。この隣には「山陽デパート」との看板があるが、看板があるだけで中身は見聞録のようである。なぜ滋賀で山陽デパートなのか・・・ちょっとわからない。ちなみに山陽百貨店は現在でも姫路にあるのだが、それと関係あるのだろうか。
奥に進むと草津映劇と書かれた映画館が見えてきた。ここにも昔懐かしの(であろう)看板が飾られていた。ゆとり世代の筆者にはまったく見覚えはないのだが、何となく雰囲気で昭和のものと分かり、懐かしさを感じる。
さすがに映画館は営業しておらず看板の飾りだけであった。映劇の中はすっからかんで上の階へつながる階段がある。
ばんから横丁の説明書きもある。「スーパーノスタルジックタウン」らしい。なにか必死感が伝わってきて笑ってしまった。この説明書きによると京都の東映太秦映画村の技術を用いて事業費2億円をかけて昭和30年代の草津駅前の街並みを再現しているようだ。なので山陽デパートや草津映劇などは実際に草津駅前に存在したということなのだろうか。
当時の街の写真も飾られていた。草津は古くは東海道の宿場町として栄えて街中には今でも歴史情緒あふれる街並みが見られる。現在では駅前中心に高層マンションが立ち並び京都・大阪のベッドタウンとして発展している街でもあるのですが。
案内図を見ると料理屋、居酒屋、占い、そしてオチ?に漫画喫茶が入居している。それではもう少し歩いてみよう。テレビ、ラヂオ、電気洗濯機、アイロンと昔の字体で書かれた看板が飾られている。もちろん実際に髙田電気店というお店が営業しているわけではないが、昭和30年代の雰囲気は味わうことができる。
清水理髪店と奥には丸十質屋の看板がある。理髪店の料金表は当時の値段が書かれていて、なんと子供丸刈で140円という安さで洗顔よりも安い。ここも実際に営業しているわけではないようだ。
ばんから横丁の一角にはジュンク堂書店が。「ぜんぜん昭和じゃない」・・と思ったが、さきほどの案内図を見るとこの書店は横丁内に含まれていない。しかしばんから横丁内からは書店内が丸見えで、昭和の雰囲気が薄らいでしまっている気もするのだが。
今度は日本一の若大将という映画の看板が。男の人は加山雄三だろうか。女の人はわからない。
さて、再び入り口に戻ってきた。当時の国鉄草津駅が再現されているようだ。
現在では草津駅周辺は近代的なビル、マンションが立ち並んでいるが、ここに入ればまるでタイムスリップした気分になれるだろう。あまり有名ではなく、マイナースポット的存在であることも評価したい。
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