天理市と言えば、かの有名な天理教の本部があることで知られている。市内には天理教を信仰する人々が多く住み、まさに宗教都市といった様相を呈している。宗教都市、怪しくも興味をそそらるワードである。猛暑が続く7月末に天理市を訪れた。
天理教への本部の最寄り駅は天理駅。天理駅はJR桜井線(万葉まほろば線)の駅と近鉄天理線の終着駅である。南北に走るJRに垂直になるように西方向へ近鉄電車の路線が伸びている。
近鉄電車は日中少ないときでも1時間に3本の列車が通り、朝夕のラッシュ時には1時間5,6本、さらに大和西大寺駅や京都駅までの直通電車も運行されている。しかし、JRというとほとんどの時間帯で毎時2本、少ないときは毎時1本という時間帯もある。奈良ではJRの路線網がいかに貧弱かというのがわかる。そのことは両駅の乗車人員にも表れており、JR天理駅で2,784人近鉄天理駅で6,803人と近鉄の圧勝。一体JRは近鉄と競争する気はあるのか・・。
鉄道の説明はここまでにして、駅周辺の様子をお届けしよう。まず駅を降りて目に入ってきたのは駅前広場。けっこう広く綺麗に整備されている。
コフフン?という広場らしく、白い円形の階段がいくつか見られた。
こうしたモニュメントを見ると、いかにも宗教都市という感じがするが、どうやら天理教とはまったく関係がないようだ。
こちらは軽食やさん。この建物も円形に統一されている。
このコフフン、調べてみると2017年4月にオープンしたばかりであった。参考サイト⇒ココフン道理で新しくキレイだと思った。
〈天理駅前広場 CoFuFun(コフフン)〉がオープンしました。
次に駅の方を振り返ると、JRの高架にたくさんの幕がはられていた。目立ったのは天理高校甲子園出場の幕。天理高校野球部は春夏合わせて50回の甲子園出場、うち3回全国制覇している高校野球の超名門だ。
このほか「こどもおぢばがえり」という幕もはられていた。「こどもおぢばがえり」とは夏に開催される天理教のイベントで、全国各地から家族連れの信者が訪れる。おぢばとは天理教の発祥の地。天理教では「おぢば」が人類創造の地とされている。
さすがは天理教の本部の最寄り駅。いたるところにおぢばの文字を見ることができた。
こちらの建物にも「こどもおぢばがえり」の文字が貼り付けられていた。ちなみにこの建物は「母屋」と呼ばれる天理教の一時宿泊施設で、市内のいたるところに存在する。この日は「こどもおぢばがえり」の期間であったため、天理市内の宿泊施設には多くの人が訪れていた。
さて、もう少し駅周辺をうろうろしてみることにした。
駅の東側には天理本通りと書かれたアーケード型の商店街がある。駅前から1㎞ほど東の方角にアーケードが続いており、一番東は天理教の本部につながっている。
商店街のほかには、飲食店などがあり、ごくごく普通の郊外の駅前といった感じであった。ここまでの写真は駅の東側。今度はJRの高架をくぐって駅の西側に足を運んでみた。
駅の西側はとくにこれといったものもなく、普通の住宅街といった感じ。天理市は宗教都市というイメージが強いが、大阪まで電車や車で1時間ということもあり、新興住宅地としても開発がされている。
池や公園なんかもあってとても暮らしやすそう。確かに天理市と言われなければ、ごくごく普通の住宅地にしか見えない。
しかし、そこはやはり天理教のお膝元。しっかりと駅の西側にも「母屋」と呼ばれる天理教の宿泊施設があるのだ。現在この母屋は市内に100か所以上存在する。「信者修行所」が正式名称で、通常は詰所などと呼ばれるそうだ。ちなみに上の写真では奥の建物が「天理教第97母屋はるのひ詰所」手前が「天理教第77母屋中背大教会信者詰所」というらしい。
この後、商店街や天理教本部を回ったあと、帰宅するために再びJRの駅に入った。「またおぢばへお帰りください。」と書かれていた。まさに信者向けの駅といった感じ。
昼間に開いていた団体用の出入り口は夜には閉まっていた。みなさん詰所に宿泊するのだろうか。
夕暮れの天理駅前広場を眺めながら、JR万葉まほろば線のワンマンカーに乗って帰路についた。
※天理教本部などの様子は後日投稿いたします。
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