関西一の規模を誇る巨大ターミナル・梅田から阪急電車に揺られること数分、淀川を越えると十三駅に到着する。どちらかというと上品なイメージのある阪急沿線の駅でありながら、イメージとは正反対の下町感あふれる街が十三である。
そういえば先日、関西ローカルの某番組で、布施や天下茶屋と並んでディープな街として紹介されていたのを思い出す。大阪を代表するディープな街と言えるだろう。
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しょんべん横丁
十三駅を降りて西口に出ると、線路沿いの南北150mほどの路地に全部で50軒ほどの飲食店が立ち並ぶ。
これがしょんべん横丁である。
しょんべん横丁の成り立ちを見ておくと、第二次大戦後にさかのぼる。
第二次世界大戦後、空襲によって十三駅界隈は焼野原となってしまった。そこに駅前という立地もあり、空いた土地に飲食店がこぞってオープンした。もちろん無許可である。
しょんべん横丁のルーツは戦後の闇市にある。
さて、ここしょんべん横丁に関する新しいニュースといえば、2014年3月の火災事件であろう。
闇市にルーツを持つということで建物同士が非常に密集していたため、瞬く間に火が広がり、飲食店の36店舗、1500平米が消失してしまった。
火災後、市民による署名運動や募金の甲斐があり、2016年の10月に新たなしょんべん横丁がオープンした。
お店は再開の場合もあれば新店の場合もあったが、建物が新しいため、雑多なイメージは残しつつも以前の古臭いイメージは薄まっている。
サラリーマンが立ち寄りやすい駅前という立地条件の良さもあり、新店がオープンしたお陰もあり、空き地は一部残るだけであった。
しょんべん横丁の北端部分は焼けていなかったようで、昔のままのレトロな佇まいを残している。
未だに怪しさあふれる風景を味わうことができる。
ちなみにしょんべん横丁という名前は、飲み屋を出てお客さんがちょっと用を足していたからなんだとか・・。
今度は、北側から南方向に向かって歩いていく。
ちょうど先ほどの裏側にあたる。道路の左側がしょんべん横丁である。
ちょうどこの記事を執筆中に航空写真を見ていたら、分かりやすいものを発見したので参考に。
数年前の写真と予測されるが、駅前にぽっかりと空き地があるのが分かる。この空き地が火災で焼失した場所である。
今回は赤い線に沿って、しょんべん横丁を一周してみた。
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栄町商店街
十三のディープ感を味わうには、栄町商店街は外せないだろう。
そういえば、この日訪れたのは9月13日。十三の日というものがあり、生ビールが130円になったりと、ローカルな割引が行われるらしい。
さて、いよいよ栄町に突入していく。アーケードはないが、入り口には派手な門が待ち構えていた。
昼間だがそこそこ人は多い。夜になるとネオンでギラギラした夜の繁華街へと変わる。
栄町で特徴的なのは、多様なお店が乱立していることで、雑多なというより猥雑な雰囲気さえ感じられる。
飲食店にゲームセンターに風×店に個室ビデオにもう何の街か分からない・・。大阪らしく色使いもド派手で、健全な街に住んでいる人は道を通るだけで疲れてしまうのでは。
焼き肉店やお寿司屋さんがあるかと思えば、怪しげなマッサージ店まである。これだけ賑やかなのに、どこかローカルっぽさが漂っているのが十三の良いところと言えるでしょう。
一本北を並行して走るFriendry Streetなるアーケード付きの商店街は主に日用品を取り扱っているのに対して、こちらは完全に遊びようの商店街。
地元民だけでなく、阪急沿線の住民も御用達の街なのではないだろうか。ちょうど乗り換えついでに立ち寄っても便利ですし。
阪急沿線と言えば、良質な住宅街が立ち並ぶ上品なイメージはあるが、ここ十三は対照的。阪急沿線といっても海抜の低い淀川沿いや神崎川沿いにはディープゾーンがたくさんあります。
さて、栄町商店街のメインストリートを抜けて周辺を散策することに。こちらは賑やかさはないもの、怪しげな地域を観察することができる。
路地に入っても料理店と怪しいバーやマッサージ店が混在している。どこまでも雑多感が味わえるのが十三という街である。
そして、どこまでも原色が多いというカラーセンス。ピンクに青に黄色に赤に目がチカチカしてしまいそう。
これで十三の散策終了。色合いもお店の種類もごちゃまぜで、いかにも大阪といった街を感じられるのが十三の良さかも知れません。
以上が十三のレポートでした。
十三の廃墟・ホテルロマン
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