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大阪府寝屋川市の南部にある京阪本線の萱島駅には、駅のホームを貫くクスノキの巨木があります。
通常、駅のホームを建設したり改修する際、大きな木があれば伐採されてしまいます。しかし、ここ萱島駅では、駅のプラットフォームと屋根をクスノキが突き抜ける様子を見るとができます。
さて、枚方市駅で特急から準急に乗り換え、萱島駅で降りるとクスノキが目に飛び込んできます。
楠木には光が差し込んで、葉っぱの緑がとても綺麗です。というのも、クスノキの幹と葉っぱに合わせて屋根が切り取られており、太陽の光が差し込むようになっているからです。
このクスノキは、樹齢700年と推定される大木で、萱島駅を複々線化し高架化する工事が行われる際、切り倒される計画がありました。
しかし、地元の方の要望もあり、伐採は行われずに、現在のように駅と共存することになったのです。
もしクスノキがホームではなく線路の位置に生えていたら伐採せざるを得なかったのでしょうか。なんにせよクスノキは保存されることとなったのです。
その後、1980年ホームの下には京阪電車が社殿を造営し「萱島神社」となり、クスノキはご神木として祀られることになりました。
狛犬の向こうには鳥居があり、その奥には萱島神社の拝殿があります。
萱島神社の御祭神は以下の通りです。
これは、もともと一帯は「萱島流作新田」と呼ばれる開拓新田があり、その鎮守として天明7年(1787年)に萱島開拓の祖神を祀ることになり、さらに豊受大神・菅原道真が勧請・合祀されたことに由来します。
明治時代には「神名社」という名前の神社となったものの、明治40年には廃社となってしまいました。
ときは流れて昭和になり、地域住民と京阪電車がクスノキを守ったことが、かつての「神名社」が「萱島神社」として復興したことにつながったのです。
萱島神社の拝殿右横にはクスノキが鎮守しています。
近くで見るとクスノキの幹は非常に太く、周囲は何と7mもあるそうです。きちんとしめ縄と紙垂が巻かれており、萱島神社のご神木として大事にされていることが分かります。
地域住民によって守られた大楠は、令和の時代もご神木とし地域住民を見守り続けています。
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