国道176号線は丹後の宮津を起点に、丹波地方を経て大阪梅田に至る国道で、イナロクと呼ばれて沿線住民に親しまれています。
さて、国道176号線の中で、丹波篠山市と丹波市柏原町の間は、鐘ヶ崎トンネルでつながれています。
現在の鐘ヶ坂トンネルの上には、昭和に造られた旧鐘ヶ坂トンネルと明治に造られた鐘ヶ坂隧道が存在するということで、今回訪問してみました。
現在のトンネルが開通するまでは、いかにも峠といった感じの道を往来しなければいけませんでした。
今は使用されていない旧国道176号線の峠を上っていきましょう。峠の上からは丹波の山々と、その合間を駆け抜けていく車を見ることができます。
旧鐘ヶ坂トンネルに到着です。トンネルはフェンスで封鎖されており、篠山側に行くことはできなくなっています。
旧トンネル横には、明治のトンネルと書かれた看板があり、こちら方向に鐘ヶ坂隧道があるのでしょう。
山道を歩いていきましょう。
途中には、こんなものも。昔の展望台で、柏原方面を見渡せるようになっていたようです。
また「明治のトンネル」という看板があり、残りは100mです。
山道を抜け、少し広い場所に出ると、奥の方にトンネルらしき暗闇が見えてきました。
これが鐘ヶ坂隧道です。看板には、鐘ヶ坂隧道の成り立ちや総工費などの情報が掲載されていました。
これが日本最古の煉瓦トンネル、鐘ヶ坂隧道です。明治16年に造られた268mのトンネルでは、かつて多くの人や物資が行き来したのでしょう。
トンネルの上には何と書かれているのでしょうか。中へ入ってみましょう。トンネルの真ん中付近には、木の杭が打ち付けられており、さらに鉄のフェンスもあり行き来することはできなくなっています。
しかし、明治時代に造られたトンネルですが、煉瓦造りはしっかりしています。崩落しないかと少し不安になりますが、中へ入れるということはその心配はないのでしょう。
ただ、所どころ煉瓦が崩れている様子を見ると、完成から多くの年月が経過したことを感じさせてくれます。
トンネル内から外を見渡すとこんな感じです。
染み出した水、さらにその水によって発生した苔が、よいアクセントとなっており、芸術性が感じられます。
トンネル横にはお地蔵さんやお墓、石碑などがあり、それこそ異世界への入り口といった雰囲気を醸し出しています。
また、夏場に行くと草が生い茂り、違った景色が見られるでしょう。
今回は丹波市(旧氷上郡)側からでしたが、いつか丹波篠山市(旧多紀郡)側からも訪問してみたいものです。
みなさんも、丹波地方へのドライブついでに寄ってみてはいかがでしょうか。
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