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丑の刻参りだけじゃない藁人形の様々な使われ方

日本ではホラー映画の影響などから、藁人形というと「丑の刻参り」とか「怖い」という良くないイメージがついてしまいましたが、藁人形は古来より魔除けなど様々な利用方法がされてきたのをご存じでしょうか。



厄払い

厄払いでは、わら人形に疫病神などの厄を背負わせることで、厄を追い払うという謂れがあります。写真は岩手県西和賀町で有名な厄払い祭、白木野人形送りの様子です。

白木野人形送りでは、まず地域内を練り歩きながら厄を人形に背負わせます。その後、地域境の木に人形を祀ることで、厄を地域外に追い出します。

白木野人形送り(厄払いまつり)|西和賀町
ワラ人形に地域内の疫病神を背負わせて地域の外に送り出し、人形を地域境の木に結びつけ、外から疫病が入るのを防ぎ、一年間の無病息災を祈る行事です。(西和賀町無形民俗文化財)  

虫送り

虫送りは稲の害虫を追い払う儀式のことです。豊作祈願の一種で松明を燃やしながら行列を作って田んぼ沿いを練り歩くイベントです。

この虫送りに藁人形が掲げられる場合があります。写真は愛知県稲沢市の祖父江という地域で行われる虫送りの様子です。

尾張の虫送り行事 (祖父江の虫送り)
虫送りは、稲に害をもたらす虫を追い払う、豊作祈願の大事な行事です。高張り提灯を先頭に、実盛人形を掲げ、その後に松明の行列をつくります。鐘や太鼓を打ち鳴らしながら、田んぼ道を練り歩き、最後に実盛人形を松明の炎の中に昇天させ、五穀豊穣を祈ります。

合戦で敵を攪乱するための

大昔の合戦では、藁人形に甲冑を着せて敵を撹乱したという記録が残っています。この記録は軍記物語に記載されているので、鎌倉時代から室町時代にかけての合戦で使用されていたと推測されます。

下の絵は1333年、千早城の戦いです。少しわかりにくいですが、武者に見立てた藁人形に甲冑を着せている様子が確認できます。もちろん大きさは人間サイズなので、イメージする藁人形よりはかなり大型であったことが分かります。

 

藁人形 - Wikipedia

道祖神として

道祖神とは村や集落の路にある守り神のことです。外からやってくる疫病や悪霊を防ぐ役割があります。石碑や石像が使われることが多いのですが、道祖神に藁人形を使う地域もあるようです。

写真は鳥取県大山町で道祖神として使用されているものです。人間ではなく馬なので、藁馬とでも言えばいいのでしょうか。

藁人形 - Wikipedia

 

これら以外にも、死者の副葬品として棺に入れられたり、病魔を駆逐するため藁人形が道端に立てられたりと、特に日本や中国土着の文化として藁人形は様ざまな使われ方がされてきました。かの有名な丑の刻参りは藁人形の使われ方のほんの一部であると言えるでしょう。

 

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