福知山線は尼崎駅から福知山駅まで、全長106.5kmの区間を走り抜ける路線だ。特急を使わずに電車に乗ると、尼崎から福知山まで2時間を超える長旅となり、都市、住宅街、山間部、農村地帯の風景など、様ざまな顔を見せてくれる。
今回は福知山線を5つのゾーンに分けて特徴を紹介しようと思う。
①都会の住宅街
主要駅 | 尼崎駅 | 宝塚駅 |
自治体 | 尼崎市 | 伊丹市 | 川西市 | 宝塚市 |
JR福知山線の起点は尼崎駅となっている。ただし、尼崎発着の電車はなく、大阪駅発着、あるいはJR神戸線、JR東西線と直通している。ちなみにアーバンネットワークの愛称である「宝塚線」は、JR神戸線の大阪駅ー尼崎駅間も加えて、大阪駅ー篠山口駅と定義されている。
宝塚市 宝塚 駅周辺を望む
尼崎から宝塚までは大都市近郊の住宅街として、人口が密集しており、駅周辺にはマンション群が見られる。また、尼崎や宝塚、川西池田や伊丹など、快速列車停車駅では大型商業施設が立ち並び、いかにも都会的な風景が見られるのが特徴だ。
中でも宝塚駅周辺は宝塚大劇場があったりと、100kmを超える福知山線の中ではお洒落度合いはダントツだろう。
②ベッドタウン&トカイナカ
主要駅 | 三田駅 | 新三田駅 |
自治体 | 三田市 |
宝塚から北は山がちとなり、車窓が大きく変わる。西宮名塩や武田尾といった駅周辺のトンネルを抜けて道場まで行くと、農村の風景が見られるようになる。とはいえ、この場所は大都市近郊。三田駅まで行くと、駅前にはマンション群が、丘のほうにはニュータウンが広がっている。
都会的な要素と田舎的要素を味わえるのが三田駅や新三田駅周辺の魅力で、今流行りのトカイナカ(都会+田舎)といったイメージにぴったりの地域である。
ただ、開発がひと段落したニュータウンや農村地域も多く抱えており、人口は減少気味だ。三田駅前の再開発に期待が集まる。
③田舎の観光地
主要駅 | 篠山口駅 |
自治体 | 丹波篠山市 |
終点となることが多い新三田駅を抜けると、電車の本数が少なくなり、さらにローカルな景色が広がってくる。とはいえ複線区間で、大阪駅からの所要時間は1時間程度。大阪への通勤需要に応えるように、朝夕を中心に1時間4本程度の運行本数が用意されている。
主要駅の篠山口駅は丹波篠山市の主要駅で、二階町や篠山城といった観光地に鉄道で行こう思えば、この駅から路線バスに乗り換えることになる。
丹波篠山は黒豆、ボタン鍋などで有名で、農作物を中心に全国的なブランド力を持つ。二階町などでは料理店や宿泊施設が多く、京都府もあわせた丹波地方で随一の観光地といえるだろう。
④普通の田舎
主要駅 | 柏原駅 | 黒井駅 |
自治体 | 丹波市 |
篠山口駅から北は単線区間となり、その大部分が兵庫県丹波市を通る。丹波市内の主要駅である柏原までは山間部で渓谷が見られるが、その後は中山間地あるいは盆地といった感じで長閑な田園風景が見られる。
丹波市は京阪神までは1時間以上かかることから、大都市との繋がりは薄い。一般的に丹波市以北が北近畿と呼ばれる。観光地は黒井城址や藤棚で有名な百毫寺があったり、黒豆などの農産物も有名だが、丹波篠山ほどのブランド力はないので、普通の田舎といったイメージで良いだろう。
⑤普通の地方都市
主要駅 | 福知山駅 |
自治体 | 福知山市 |
兵庫県内最後の駅、丹波竹田駅を出るとトンネルに入り、トンネルを抜けると兵庫県丹波市から京都府福知山市に入る。福知山市が兵庫県と間違えられやすいのは、福知山線の大半は兵庫県を通るからだろう。
1000年先も豊かな森であるために。森と人の新たな関係性を築く|あなたと、福知山と、森林レンタル|noteふくちやま 【京都府福知山市公式】
福知山市街に入るとそれまでの農村風景から都市の風景に変わる。私立学校や企業の支店が多くあり、人口7万人台の小さな都市でありながら、北近畿の拠点といった感じがする。鉄道も福知山線の終点だけでなく、京都丹後鉄道の終点、山陰本線が通る。
観光地としての有名どころは福知山城くらいなので、天橋立や城崎温泉に行く観光客からは通過するところといったイメージが強いかもしれない。普通の小さな地方都市といったところだろう。
おすすめは丹波路快速福知山行き
夕方と朝方に設置されている大阪駅始発の丹波路快速福知山行きを利用すれば、乗り換えなしで5つのエリアの景色を楽しむことができる。
沿線風景の変化を楽しみながらのんびり鉄道旅をしてみてはいかがでしょうか。
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