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京都府宇治市の伊勢田という場所にウトロ地区と呼ばれる一画があります。この地域には現在、多くの在日朝鮮人が住んでいます。もともと宇土口(うとぐち)という地名だったのですが、口をカタカナ読みして、いつしかウトロと呼ばれるようになりました。このウトロ地区ですが、今年6月より従来あった住宅が解体され、新たに市営住宅が建設されるというニュースが話題になりました。今回、ウトロ地区の見納めということで、11月3日(木)文化の日に現地を訪れました。
写真のように閑静な住宅街が広がっていますが、この近くにウトロ地区があるとのことです。
しばらく住宅街を歩いていると、バラックのようなトタンで建てられた家、あるいは倉庫のようなものが見えてきました。
一目見た瞬間、何やら他と違うオーラを感じたのですが、どうやらこの先がウトロ地区のようです。ウトロ地区の南側の道を進んでいくと、以前訪れた東九条でもお馴染みのバラック街が見えてきました。
ちなみにこの道の反対側は防衛省の駐屯地になっていて、まさにコリアタウンと日本の防衛省が隣接するというミスマッチな光景が見られます。バラックの周辺を見ると舗装がされておらず、空き地のようになっています。かなり入りにくい雰囲気でしたが、勇気を出して少しだけ潜入してみました。
中は雑草がボーボーに生い茂っていました。とても人が住んで居る風ではなかったです。
しかし現在使われていそうな自転車が置いてあるということは誰かが住んで居るのでしょうか。
さて、ここでウトロ地区の歴史について振り返っておきましょう。ここウトロ地区が朝鮮人の集落となった経緯は、太平洋戦争中までさかのぼります。このとき、京都飛行場と飛行機工場が建設されることとなったのですが、そのとき1000人を超える朝鮮人が建設に従事していました。そして労働者とその家族も一緒にこの近辺の飯場(簡易宿泊所)で住んでいたそうです。その飯場こそがウトロ地区の前身というわけです。
そして現在でも朝鮮籍の人々が暮らしています。詳しいことは下記の引用部分を見ていただきましょう。
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2005年時ウトロ地区に暮らす65世帯のうち、(1)大戦中に飛行場建設工事に関わった1世と子孫、(2)その親類縁者 (3)戦後(1945年以降)にウトロに移住してきた家族とその子孫が、それぞれ3分の1ずつを占める。65歳以上の高齢者を含む世帯が30世帯、その中で高齢者だけの世帯が16世帯20人。生活保護世帯が全体の約20%(宇治市平均約1%)と、若い世代はウトロから転出し日本から生活保護を受けている高齢者が残っている傾向にある[6]。
wikipwdiaより引用
日本国と同じく、ウトロ地区でも高齢化が進んでいるようです。
こちらには新聞や空き缶などのゴミが蓄えられていました。おそらく販売するためでしょう。
それにしてもなかなかの荒れ具合ですね。トタンと草のコラボレーションです。
これはさすがに家ではないでしょう。と撮影してると向こうのバラックの家に人影が見えたので、すぐに別の場所に移動した。別に悪いことをしているわけではないのだが、こういうことをしていると気が引けてしまいます。
そんなウトロ地区ですが、ご覧のようにすでに解体工事が始まっています。京都を代表するDEEPな街だったのでちょっと寂しい気もしますが、これも時の流れということで諦めるしかなさそうです。
今度は地区の北側に行ってみました。青い看板を発見です。「ウトロ地区の名物」と私は勝手に呼んでいるのですが、こうして生で見るとリアリティを感じます。
「オモニのうた」と書かれた看板もありました。ざっくり内容を説明すると、「絶対にここから出ていかないよ、何があってもウトロは私たちの故郷だ」ということが書かれています。しかし法的には不法占拠状態で2000年の最高裁では立ち退き処分が出ているのですが。
こちらも取り壊しが始まっているようです。また、この奥の駐車場には高級車が並んでいました。一体どんな仕事をしているんでしょうか、もしかしたら堅気の仕事ではないのかも知れません。
地区の南側はバラックは見られなく、一見普通の古い住宅街になっています。そしてここにも標語が飾られています。違法だろうが何だろうか、ウトロを守り続けてきたことには変わりませんからね。そしてその意思の強さが、この標語に現れているように感じます。
現在、この地区に住んでいる60世帯180人は新しくできる市営住宅に移り住むことにります。そしてウトロの歴史はこれからもこの地で続いていくことになりそうです。
関連➡東九条
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※この記事は政治的主張をしようとするものではありません。ただ単に現地の様子をお伝えすることが主旨であります。また、ウトロ地区についての詳細はwikipediaをはじめとするインターネットサイトや下記の書籍に載ってますので興味のある方はそちらをご覧ください。