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それではJR西日本の駅における乗車人員ランキング(2014)を見ていこう。乗車人員とは1日あたり平均でどれだけの人が改札を通り駅に入場したかである。出場は含まれていないことに注意していただきたい。また、JR線同士の乗り換えは改札を通らないため含まれていない。一方で他社からの乗り換えは含まれている。
※カッコ内 最新(2017年度)
1位 大阪駅 423,758人 (436,187人)
言わずと知れた西日本最大のターミナル駅。新宿駅や横浜駅といった首都圏の超巨大ターミナル駅とタメを張れるのは関西で唯一ここだけであろう。90年代のピーク時からやや減少傾向にあったが梅田の再開発で再び利用者増加傾向にある。通勤での利用客の多くはここから地下鉄に乗り換え、淀屋橋、本町、北浜といったオフィス街に向かう。しかし近年梅田のオフィス需要が増加したことから、梅田を目的地とした移動が増加している。
2位 京都駅 193,972人 (203,296人)
京都の玄関口。新幹線はJR東海の管轄のためこの数字には含まれていない。実はここ数年で乗車人員が増加した。1994年の時点で147,953だったのが、2004年で173,934人と着実に乗車人員を伸ばしてきた。考えられる要因は京都駅ビルの開業や観光客の増加、それに琵琶湖線の各駅の利用者増加といったところだろうか。
3位 天王寺駅 141,463人 (148,254人)
大阪のキタ、ミナミに次ぐ繁華街天王寺・阿倍野のターミナル駅。京都駅とは反対に利用者は数十年で減少した。1994年には176,236人だったのが2004年には145,135人と利用者は減少した。大阪市以南の人口減少、高齢化が大きな要因と思われる。2010年には132,066人まで乗車人員が減少したもののアベノハルカスの開業の効果もあって利用減少に歯止めがかかっている。
4位 京橋駅 129,700人 (133,799人)
大阪北東部にある京阪電車と接続する駅で大阪ビジネスパーク近くに立地する。94年の158,103人から減少傾向にある。天王寺駅の場合、阿倍野ハルカスの開業などの再開発事業で乗車人員は回復したが、こちらはそのような要因はなく、今後が心配である。大きな原因は環状線への乗り換え客の多い京阪沿線で利用者が減少したことだろう。
5位 三ノ宮駅 118,646人 (124,169人)
神戸の中心地三ノ宮のターミナル駅。駅周辺には高層ビルや大型商業施設が政令指定都市のターミナル駅としては地味な印象を受ける。ここは大阪駅や京都駅などと違い、もともと繁華街があったところに駅が設置された。そのため大型開発がしづらい状況にあったものと思われる。ただしビジネス街、繁華街が駅のすぐ側に広がっており利便性は非常に高い。乗車人員はやや少なめな印象を受けるが、これは乗り換え客が少ないためである。地下鉄との間での乗り換えはあるだろうが、阪神や阪急、神戸高速とは並行して走っているため、乗り換えはほとんどないと言っていいだろう。
まとめ
さて、ここまで上位1~5位を見た。人口規模の大きい大阪の駅が上位に3つ、それから京都、神戸の中心の駅がそれぞれ1つ上位にランクインした。ターミナル駅で特に私鉄や地下鉄との乗り換え人数が多い駅で乗車人員が多くなっている。
また、近年の利用者数の推移を見ると、大阪の駅で共通して利用者が減少傾向にあることがわかる。原因は郊外でモータリゼーションが進展したことと、大阪の経済が停滞し通勤やレジャー目的での利用者が減少したことである。ただし大阪駅や天王寺駅では大規模な再開発事業が実施されたことからここ数年は利用数が増加した。これから人口減少が予測される中で、大規模な再開発事業というのは駅だけでなく、その駅を起点とする路線全体にも大きな影響を持つようになるだろう。
後篇では6~10位を見ていくことにする。
6位~10位⇒乗車ランキングから見る関西の鉄道事情 後篇
追記
最新(2017年度)の乗車数追加 ※ここ数年はインバウンドの増加や再開発、都心回帰の影響からどの駅でも増加傾向にある
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