大阪と名古屋の経済規模の差はどのくらいか

日本の三大都市圏の一角を占める大阪と名古屋。以前の大阪は東京とともに車の両輪のような形で機能していたが、大阪の相対的な地位低下とともに、名古屋との差は小さくなっている。

さらに府県単位でみると、愛知県が大阪府をGDPで抜くことになった。このように、3大都市圏のうち、大阪と名古屋の差というのは小さくなり、将来的には名古屋が追い抜くのではないかという意見もある。

そこで、今回検証するのは現時点での大阪と名古屋の経済規模の差である。

愛知県がGDPで大阪府を上回る

2018年3月に愛知県が大阪府をGDPで上回ったというニュースが報道された。特に関西の経済界にとっては衝撃的だったようで、テレビのニュースでも取り上げられたことは記憶に新しい。データは2015年の県内総生産で、大阪府の府内総生産は39兆1069億円、愛知県の県内総生産39兆5593億円と、愛知県が4500億円大阪府を上回った。

画像1 名古屋駅前の様子(画像 名古屋市HPより)

大阪府は長らく国内GDP第二位をキープしていたため、第二の都市の座が奪われたとの声も聞かれた。しかし、この数字にはからくりがある。実は2015年の発表から、GDPの数字に研究開発費が組み込まれのだ。国際基準に合わせる形で算出基準が改定されたため、トヨタ自動車など製造業の盛んな愛知県ではGDPが大きく産出される形となった。

もしこの算出基準が過去に採用されていれば、2007年のGDPも愛知県が大阪府を上回っていたことになる。とは言っても、両県の夜間人口の差は130万人程度。1人当たりのGDPを表す県民所得では愛知県が上回っていることを考えれば、この結果もうなずくことができる。

大阪府と愛知県の経済規模の差はあまり無いことが分かったところで、次に大阪と名古屋という都市で見た場合の差を考えて行く。

大阪都市圏と名古屋都市圏

以前の記事でも書いたように、都市は都市圏単位で見るのがベストである。都道府県というのは行政単位であり、都市の実情を表していてないことが多々あるからだ。

大阪都市圏の場合、大阪府下に加えて、隣県の奈良県北部や兵庫県南東部を含んでいる。奈良県生駒市の住民には大阪市内に通勤している人は多いためである。一方で名古屋都市圏の場合、愛知県全域を含むわけではなく、豊橋市や豊田市など独立した都市圏を持っている都市が多い。

このように都道府県と都市圏は必ずしも一致するわけではなく、府県を越えて人の流れがあったり、同じ府県でも人の流れがあまり無い場合もある。

それぞれの都市圏の規模を見ていこう

域内人口域内総生産
大阪都市圏1208万人45.4兆円
名古屋都市圏549万人22.5兆円

これを見ると大阪都市圏が名古屋都市圏の約2倍ほどの規模を持つことがわかる。

ただし、周辺市町村から中心都市への通勤率に変化があれば、都市圏の大きさに変化が出るため、これらの数字は変動していく。例えば、愛知県三河地方の岡崎市などは、通勤率から考えて都市圏に含まれる含まれないか微妙な水準にある。2010年のデータでは含まれなかったが、今後は含まれることになる自治体もあるだろう。

また、雇用都市圏という民間機関が行った定義だが、さらに広い範囲を対象にした総務省の定義もある。それによれば、京都や神戸も含む京阪神大都市圏、四日市や関ヶ原、豊川なども含む名古屋大都市圏と定義されている。

おわりに

県単位で見ると、ほとんど差はないものの、大阪と名古屋という都市の実情を見た場合、2倍程度の規模の差があることが分かる。今回は民間の定義を見たが、この差は総務省の定義1.5%都市雇用圏で見た場合でも同じことが言える。京阪神大都市圏(中心都市:京都・大阪・神戸)が約1900万人、名古屋大都市圏(中心都市:名古屋)が約900万人となっているため、2倍程度の差があることが分かる。

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