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高速道路をビルが貫いている光景は日本ではここだけ、世界でも珍しいかもしれない。関西在住者の間では有名なので、わざわざこのサイトで紹介しなくてもいいような気もするが、以前撮影した写真を見つけたので記事にすることにした。
場所は大阪駅や梅田駅からほど近く、都会の喧騒を感じることができる。高速道路が貫くのは大阪市福島区にある地上16階のオフィスビル。通称「ビーハイブ」のちょうど5階~7階の部分を阪神高速11号池田線梅田出口の取り付け道路が貫いている。
なぜ貫通することになったのか
それではなぜビルに高速道路が貫通することになったのか・・簡単に説明しておく。ことは1983年にさかのぼる。この土地の地権者である末澤産業は老朽化のため社屋を改築工事することになった。ところが都市計画にによって阪神高速が通ることになってしまい、工事の認可が下りなかったのである。
そこで末澤産業の当時の社長は阪神高速道路公団(現阪神高速道路株式会社)と交渉し、ビルに高速道路を貫通させてまえという具合で決着させた。交渉期間5年という期間を経て掴んだ奇抜なアイデアによって、大阪人の自由な発想の象徴とも言える光景が誕生したのだ。
しかし、常識的にはありえない発想。交渉した先代社長は、数年前に亡くなり、息子で現社長の末澤正大さん(43)は「どんな交渉をしたかは墓の中」。ただ制度上は、阪神高速側には強制収用という最終手段もあったわけで「粘り強くやったんでしょう」。
http://www.asahi.com/kansai/travel/kansaiisan/OSK201107210063.htmlより引用
写真
百聞は一見に如かず、ということで実際に写真を見てみる。ちなみにこの写真は昨年(2016年の冬)撮ってきたものである。
見事な貫きを見せてくれているのは、阪神高速11号池田線の梅田西ランプの出口。北側から撮影したもので、ちょうど画像の手前に向かって車の流れがある。
地図上、緑で囲ったところがTKPガーデンシティ大阪梅田(通称ビーバイブ)である。このビルを阪神高速が貫いている。
今度は横からの画像。キレイに突貫しています。
ビルを道路が貫くという光景はなかなかの大迫力。
航空写真で見ると、こんな感じで道路の曲線とビルが見事にマッチングしている。
立体道路制度
この貫き道路の建設が可能となったのは立体道路制度というのが整備されたためである。そしてはじめての適用がTKPガーデンシティ大阪梅田(ゲートタワービル)だったわけだ。実は日本でこの法律の適用例は他にもあり、東京都市計画道路幹線街路環状第2号線のうち、虎ノ門ヒルズから築地までのトンネル(通称虎ノ門トンネル)のうち、虎ノ門ヒルズを通る箇所で適用されていた。
googleのストリートビューで見ると、確かに虎ノ門ヒルズを道路が貫く様子がわかる。ただ、こちらはビル1階部分を通っているため、阪神高速のように「貫いている」という表現は適切なのかはわからない。
おわりに
今回は高速道路がビルを貫く光景をお届けしました。すでに大都市の都心部ではビルが密集しているため、用地買収できないエリアでの効率的な土地利用の方法としては、このような手法は面白いのではないでしょうか。
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