こんにちは
今日は自動車保有についての話題です。
①自動車利用と地域特性
一般的に都市部では鉄道やバスなどの公共交通機関が発達しており、これが盛んに利用されています。一方で田舎といわれる地域は公共交通機関が貧弱なところが多くあまり利用されていません。
都市部では公共交通機関が発達していること、さらに都市部では駐車スペースが限られていることもあり、自家用車の利用は盛んにされていません。反対に田舎と呼ばれるところでは公共交通機関が貧弱であること、無料で使える駐車スペースが多いことから自家用車が盛んに利用されています。これらのことから一般的に公共交通と自家用車は代替的な関係にあると言えます(一方が利用されるともう一方が利用されないというような関係)。
一方で都会とも田舎とも言えない大都市の郊外ではどうでしょうか。郊外では駐車スペース付きの一戸建てが多いことから自動車の保有は多いものと考えられます。また、郊外の商業施設はロードサイド型の店舗が多いことから日常生活での自動車利用は多いものと考えられます。しかし通勤に関しては、特に都心に向かう通勤は自家用車よりも圧倒的に鉄道が利用されます。
広告
[ad#ads1]
②自動車保有のデータ
これらのことをふまえて関西のそれぞれの府県の自動車保有台数、および保有率を見てみましょう。
表1 関西の府県の自動車保有台数と世帯あたり保有台数(自動車保有台数/世帯数) 都道府県データランキングを参考に管理人作成
まずは自動車保有を見ましょう。これは当然のことながら大都市を抱える人口の多い都道府県が大きな値をとっています。しかしながら順位を見ると1位は愛知県となっており、愛知よりも人口の多い大阪や東京よりも自動車保有が多く、また盛んに利用されていると予測されます。つまり、①で見たような都市構造の違いといった地域特性が表れているのです。関西の中で見ると、大阪が一番多く約270万台代で全国7位、次に兵庫県、京都府と続きます。
それでは自動車保有率はどうでしょうか。このデータでは世帯あたり保有台数(自動車保有台数/世帯数)として表されています。これを見ると今度は福井県が全国1位になります。世帯あたり保有台数は1.743と1家族あたり平均で1.743台で自動車保有していることになります。反対にこの値が一番低いのは東京です。世帯あたり保有台数は0.461台となっています。
関西で一番世帯あたり保有台数が多いのは滋賀県で1.406(全国17位)となっています。意外に感じたのは和歌山と奈良の世帯あたり保有台数があまり多くないということです。和歌山や奈良も滋賀と同じく大都市近郊という性格を持っているにも関わらず全国的に見てもあまり高い値ではありません。この理由として考えられるのは山地に囲まれているため平地が少ないため、駐車スペースが限られているということ。また、奈良県に関してはJRに加えて、近鉄の路線が県内に張り巡らされているためと考えるのが妥当ではないでしょうか。その他大都市を抱える3府県の値はどれも1を下回っています。このことから自動車利用があまり盛んではなく、公共交通機関が主に利用されていると考えられます。
関西地方は京阪神という大都市圏を抱えていることから、全国的に見ると自動車の保有率は低めとなっています。
これらのことから①で見たような自動車利用と地域特性には密接な関係があることが分かります。
広告
[ad#ads1]
関連記事 都市圏という考え方