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大阪市+負の遺産
みなさんは大阪市の負の遺産という言葉を聞いたことがありますか。大阪市は過去に開発した数々のレジャー施設や商業施設などが経営難に陥り、結果的に後世に負担を残してしまいました。代表的なものには、1997年に開業したもののわずか7年間で倒産に追い込まれたフェスティバルゲートが挙げられるでしょう。第三セクターのフェスティバルゲート株式会社の倒産で、最終的に大阪市は200億円という赤字を補填することになったのです。この200億円の補填、もちろん市民の血税からです。完全にやらかしてしまいましたね。
このように大阪市が開業させた施設で負債を抱えてしまうケースは数多くあります。今回紹介するORC(オーク)200もそのうちのひとつです。ORC200は1993年に弁天町駅前開発土地信託事業として竣工したんですが、その後バブルが弾けたり何やらあって事業を請け負ったりそな銀行など3つの銀行に600億円以上もの債務が発生してしまいました。ちょっと難しい話になりますが、信託法というのがあって、それによるとお金を貸した銀行に責任がない場合、土地保有者に損失の補てんを求めることができるということらしく、土地保有者の大阪市が637億円を支払わなければならないそうです。その判決が2013年3月に大阪地裁で下されたわけです。
637億円ですよ、開発なんてしてないで教育とか他のことに使えよって話です。まあ過ぎてしまったことはしょうがないですがね。それではORC200の現地の様子をご紹介します。
まずはORC200の場所を見てみましょう。上の地図のように弁天町駅の真ん前にあります。ちなみに弁天町駅は環状線と地下鉄が交わり、交通の便がとてもいいのですが、駅を降りると意外に地味な体裁の街並みが広がっていました。
弁天町駅を出ると駅前にそびえ立つ超高層ビルがありました。かなり高いです。調べてみると200mとのこと。なるほどオーク200の「200」ってビルの高さに由来してるんですね。それからORCは「大阪リゾートシティ」の略だそうです。如何にもバブル期のネーミングセンスって感じです。外見からはリゾートっぽさは感じられませんが、ホテル内はすごいリゾート感たっぷりなのかも知れません。
建物をよく見ると上層階は細くなっており、やや歪な形をしています。あまりこういったビルは見たことありません。ちなみに大阪市教育センターと書かれた建物の向こう側に見えるのは、クロスタワー大阪ベイという高さ200mのタワーマンションで、今回紹介する負の遺産とは全く無関係です。
それでは建物に沿って北へ向かって歩いていきましょう。人はほとんど居なく寒々しい感じがします。ここでORC200の概要を
ここはホテルの入り口のようです。ここではORC200の1番街と呼ばれるところです。一枚目の写真のちょっと歪なビルの一階部分にあたります。
ここ一番街にはホテルだけでなく、オフィスも入居しています。そりゃ立地面では恵まれますから、オフィスにはちょうどいいでしょう。某WTC何かだと、地下鉄の駅から15分ほど歩かなければなりませんから。
中に入ってみるとオフィスの割り当て図がありました。オフィスは1番街(ベイタワー)の5階~19階部分にあたります。そしてオフィスをサンドウィッチするような形で、~4階、20階~上階がホテルになっているようです詳しくはこちらをご覧ください。
こりゃ何でしょうか。たまに行政が開発した施設にはこういう謎のオブジェを発見するんですが。
さらに北へ進むと、今度は2番街東館へやってきました。税務署事務所の総合窓口がありました。次に階段を上って2階部分の広場へと行ってみます。
2階へ行くとフロアのご案内がありました。3番街のアミューズメントが結構広いですね。スポーツクラブやボウリング場などがあります。
とまあ2階部分も寒々しい感じでした。
こちらはアイススケート場です。イベントやって盛り上げていくしかなさそうですね。
再び一階へ降りていきます。しかし薄暗いですね。照明だけでも明るくすればいいのにと思ってしまいます。その辺は人が少なくてもライトガンガン、床ピッカピカの某ピエリ守山を見習ってほしいものです。
最後に北側から外に出て一枚写真を撮りました。手前のビルが4番街(プリオタワー)で、こちらは高さ200メートルの超高層マンションとなっています。弁天町駅からは1番街(ベイタワー)に隠れて見えませんでした。
本日はORC200の様子をお届けしました。もう2度と無駄な開発は止めてほしいものです。こういう営利目的のビジネスは民間事業者がやればいいわけで、わざわざ行政が出しゃばってやろうとしない方がいいと思います。大阪市さんにはこの教訓を生かしてほしいものです。
大阪市負の遺産シリーズ
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