湊川駅から徒歩15分
JR神戸駅から高速神戸駅に乗り換え、ひと駅移動すると、新開地駅に到着する。
新開地でさらに神戸電鉄に乗り換え、これまたひと駅移動すると湊川駅に到着した。
ここから北西に向かって10分~15分ほど歩くと、湊川隧道の南端に到着である。レンガ造りの建造物前には大勢の見物客が訪れていた。
レンガ造りの建物は湊川隧道の坑門をイメージしたもので、ここから下っていくと湊川隧道内部に入ることができる。
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日本初の河川トンネル
ここで湊川隧道が建設された経緯を振り返っておこう。湊川隧道が建設されたのは、1901年にさかのぼる。当時、湊川は洗心橋付近から兵庫港付近に向かって流れていた。現在は川が屈折している荒田町付近で、屈折せずそのまま新開地、東川崎町付近を通り、兵庫港付近まで流れ注いでいたという。
しかし、度重なる氾濫で河川の付け替え工事が計画され、会下山の下が流路に当たることになった。
そのときの工事で誕生したのが湊川隧道ということになる。その後、2000年に新湊川トンネルが建設されたことにより、河川トンネルとしての役目は終えた。
流路の変遷 http://web.pref.hyogo.lg.jp/kok11/ko05_1_000000016.html
外からは湊川が新湊川トンネルへと流れていく様子が分かる。新トンネルは湊川隧道のすぐ横に建設されており、隧道に水が流れているのではないかというくらい、新旧のトンネルが近接している。
湊川隧道は、完成後から100年以上が経過していることになるが、日本初の河川トンネルであること、高度な土木技術が用いられていることから、新トンネル建設後に湊川隧道を保存しようという動きがあった。
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湊川隧道保存の会
現在、湊川保存友の会によって、見学会、講演、会報の発行などが開催されている。湊川隧道保存友の会の発足のきっかけとなったのは、1995年に発生した阪神淡路大震災までさかのぼる。
震災後、湊川隧道の一部が損壊してしまい、復旧事業として新湊川トンネルの建設が計画されることになった。2000年に新湊川トンネルが開通したとき、有識者などによって「トンネル保存検討委員会」が発足。
メンバーによって歴史的、技術的価値について検討された結果、「近代土木遺産の価値がある」として保存されることになった。そして翌年、市民を中心とした「湊川隧道保存友の会」が発足した。
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毎月第三土曜日に行われる一般公開
湊川隧道は毎月第三土曜日に一般公開が行われていて、写真好きの人、歴史好きな人、土木建造物好きな人など、多くの人がトンネルを訪問する。
また、一月を除いてはトンネル内でコンサートが開催されており、今回訪問した2018年12月15日はオカリナの演奏が行われていた(らしい)。神戸までの電車が遅延していたこともあり、残念ながら見ることができなかった。
演奏は見られなかったが、公開終了まで雰囲気を楽しむ時間がたっぷりとあったので、トンネルの隅々まで見物することができた。
奥の方には当時のレンガ造りがそのまま保存されており、コンクリートでは感じることのできない味わい深さというか。。うまく言えないがが、とにかく趣がある
ここを訪れた人なら誰もが、思うはずである。
「保存する価値がある」と。
公開終了時間直前、人が隧道から出ていった後、最後の一枚を撮影。
これからも湊川隧道が保存されるに違いない。そして多くの人を魅了していくだろう。そう確信した。
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