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小高い丘の上にある近江国庁跡を訪れて



そもそも、国庁とは、律令制のもと、中央から各国へ赴任し一国の政治を行った政庁のことです。国庁(または国衙(こくが))が置かれた都市のことは国府と呼ばれていました。

都道府県制の現在との対応は、おおよそ以下のようになるでしょう。

国庁⇒県庁

国府⇒県庁所在地

いわば昔の県庁的存在とも言える場所です。

画像はhttps://www.youtube.com/watch?v=pVIVgmKORJQより参照

今回訪れた近江国(おうみのくに)とは、律令国のひとつです。律令国とは飛鳥時代~明治初期に日本の行政区分としての基本単位でした。

明治期に廃藩置県が行われると、近江国は分割され、その後何度かの統合を経て、近江国と同じ地域が滋賀県となりました。

さて、それでは近江国庁跡へ行ってみたいと思います。近江国庁跡があるのは大津市大江3丁目、瀬田と呼ばれる地区です。

この辺一帯は基本的に住宅街ですが、昔ながらの住宅地、新興住宅地、マンションやアパートが混在しており、狭隘な路が多く辿り着くのに一苦労しました。

住宅街を抜けると、小高い丘が見えてきます。

狭い住宅街を抜けての開放感が素晴らしいです。小高くなっているので景色も抜群です。晴れていたら、湖南アルプスや対岸の比叡比良の山並まで望むことができるでしょう。非常に広い敷地で、当時700人~800人の役人が働いていたというのも頷けます。

近江国庁跡の看板も設置されています。これによると近江国庁は、国庁の全容が日本ではじめて明らかになった遺跡ということです。

記念碑も見られました。こちらは近江国庁ではなく、近江国衙(おうみこくが)と刻まれていますが、意味は同じです。

遺構に関する説明板もあります。かなり大規模な遺構が見つかったそうです。

こちらは復元の建物です。数棟の掘立柱建物と呼ばれる棟が建ち並んでいたということです。

別の場所には建物だけでなく、塀の復元もありました。日陰になっていることから、夏場は休憩所としても利用できそうです。

さすがに観光地というわけでは無さそうですが、地域の住民が一息つくには丁度よい広場となっています。

周辺の地形や道路、住宅街も面白いので、散歩がてら行ってみる価値はあります。隣にビレッジハウスが建っているのも良いポイントです。



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