最近は、ケンミンショーなどで県民性がどうとか言われたりしていますが、正直ピン来ないという場合も多々あります。
というのも、県としてのまとまりが無い県や県内の地域差が大きい場合、何々県民と一括りにされても違和感が生まれてしまします。
その最たる例が兵庫県ではないでしょうか。
ヒョーゴスラビア5つの律令国にまたがる
兵庫県にまとまりが無い最大の理由が、県域が5つの律令国にまたがっているためと言えます。
・但馬の全域
・丹波の一部
・摂津の一部
・播磨の全域
・淡路の全域
※厳密に言うと越境合併の影響で備前のほんの一部が入っているのですが、ここでは考えないことにします。
いくつかの国が合わさって成り立った県ということで、ユーゴスラビア連邦とかけてヒョーゴスラビアなんて言われ方をしたりします。
国で分けると5つになりますが、摂津といっても神戸と尼崎や伊丹ではかなり雰囲気が違う気がします。神戸は神戸ですが、尼崎や伊丹ではほぼ大阪といったイメージがありますので、摂津は神戸と阪神間(三田、川西、猪名川、宝塚、伊丹、西宮、尼崎、芦屋)に分けます。
※厳密に言うと神戸市の西区や垂水区は旧播磨国に属するのですが、経済的な繋がりを考えて神戸として扱います。
マップに地域を書き込むとこんな感じになりました。
この区分けなら違和感ないのではないでしょうか。
播磨(はりま)
地域内での差がもっとも大きいのは、面積が広いということもあり播磨でしょうか。
播州と聞いてイメージするのは姫路から高砂、加古川の海沿いですが、西脇などの内陸側はまた違う文化を感じます。気象情報では西脇市と多可町を丹波地域とまとめて北播丹波という言い方がされます。
姫路より西の相生や赤穂も近畿というよりも、瀬戸内地方といった感じで違うでしょうか。また、明石や三木は神戸のベッドタウンといった印象です。
淡路(あわじ)
玉ねぎで有名な淡路ですが、国生み神話の「オノゴロ島」の候補とされる絵島があるなど、日本の歴史上重要な地域でもあります。
淡路市、南あわじ市、洲本市という3つの自治体があり、気候が温暖で、農業が盛んです。
本州からは自家用車やバスで明石海峡大橋を渡るか、淡路ジェノバラインで明石港から岩屋港へ行くことになります。
神戸(こうべ)
他県の人が兵庫県と聞いてまずイメージするのは神戸でしょう。洒落た港町、六甲の街並みなどが魅力で観光地としても有名です。ただ、実際は下町が多く、ディープな街並みが多いのも事実ですが・・・。
先ほども触れましたが、垂水区と西区は旧播磨国です。とあって、旧摂津国の神戸とは少し別ものだという意見もあります。
垂水区や西区はもともとは明石郡で、昭和初期に神戸市に編入されたのですが、当然明石市と同じになるという選択肢もありました。
今は明石市の勢いがすごいので、もしかするとあのとき神戸市ではなく明石市と一緒になっていればと考える方もいるかもしれません。
阪神(はんしん)
全域が旧摂津国で、同じ旧摂津国の大阪市や大阪の北摂地域と経済的結びつきが強いと言われています。尼崎の市外局番が06であることはよく知られています。
中でも尼崎市や伊丹市は文化的にも大阪といった感じで、県境がなぜそこにあるんだといった感じがします。
三田や芦屋などは神戸のベッドタウンという面も強いですが、基本的には大阪のベッドタウンとして特に宝塚や西宮など、住宅地として人気です。
丹波(たんば)
自治体は丹波市と丹波篠山市が域内にありあす。丹波地域は黒豆、黒ごま、松茸、丹波栗、ぼたん鍋など特産品が多く、特に丹波篠山は全国的に知名度の高い観光地です。
さて、旧丹波国は兵庫県と京都府にまたがりますが、京都府側の面積が8割、兵庫県側の面積が2割です。
もともと丹波地方は京都との結びつきが強い地域であるため、全域が京都府でも良いのではと思ってしまいますが、廃藩置県後は丹波市(旧氷上郡)と丹波篠山市(旧多紀郡)は豊岡県の時代を経て、兵庫県に編入されました。
但馬(たじま)
兵庫県北部の広大な地域は旧但馬地域です。但馬地域は京阪神に遠いこともあり、独自の文化が築かれてきました。但馬弁もその一つで、言語学では非関西弁とされています。
兵庫県の中では京阪神とのつながりが最も薄いこともあり、丹波地方や京都府の丹後地方とともに「北近畿県?豊岡県?福知山県?」として独立していてもおかしくないと思ってしまいます。
そんな但馬ですが、古くから有名な名勝が城崎温泉(豊岡市)です。また、但馬の南部にある竹田城も最近では非常に人気が高まっています。その他、生野銀山や出石蕎麦なども有名です。
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