京都競馬場はオープン100周年記念として、総工費880億円をかけて改修を行っていました。2年5か月という月日をかけ、2023年4月にリニューアルオープンしました。
京阪電車からは、非常に綺麗で壮大なJRAのスタンドが見えます。淀駅で下車すると、なお一層の迫力です。競馬でこれだけの建物ができるとは、さすがギャンブル大国といったところでしょうか。
さて、今回は改修前の京都競馬場で特徴的だった円形パドックを紹介していきます。
京都競馬場で円形パドックが採用されていたわけは
京都競馬場のパドックが円形になっていた理由については複数の説があります。
①建設当時、まだ競馬が一般化していなかったため、観客数が少なく、パドック場所を効率的に使うことができる円形が採用されたとされています。また、円形パドックは当時の設計者である坂本龍馬の意向によるものという説もあります。
②競馬場のパドックは、競馬ファンや調教師、オーナーが馬を観察し、レースに出走する馬の調子や状態を確認するための場所です。円形になっていることで、周囲から馬を見ることができるため、より正確な判断ができるというメリットもあるとされています。
③旧京都競馬パドックは真円形で、中心にはモチの木がある特徴的な形でした。競馬場建設の時からそこにあった大木ですが、切り倒すことによる祟りを恐れ、木を中心に円形にパドックが建設された
場のパドックが円形になった具体的な理由については明確にはわかっていませんが、このような背景があったと言われています。
円形パドック跡は広場へ
リニューアル後の京都競馬場へ行ってみると、円形の人工芝があります。ここがリニューアル前、円形パドックがあった場所です。当時から使用されていたターフビジョンも残されています。
数々の歴史を刻んできた円形パドックは、多くの競馬ファンやファミリーがくつろぐ場となっています。
ところで、円形パドックのシンボル的存在であったモチノキという木はどこへ行ってしまったのでしょうか。
円形パドックのモチノキはモチノキ時計に
円形パドックのモチノキは移植計画もあったようですが、樹齢を経ていたため、残念ながら伐採するという形になりました。
ただし、モチノキは伐採後に再利用され、スタンド内にはモチノキ時計として、競馬ファンに親しまれる存在となっています。
新パドックは楕円形に
円形パドック跡とほど近い場所には、新パドックがあります。今度は円形ではなく楕円形です。やはり、馬が歩きやすいからという理由があるようです。
スタンドからも見下ろすことができるようになっており、GIのビッグレースでも、多くの観客がパドックを見れることでしょう。
京都競馬場のシンボルであった円形パドックは無くなってしまいましたが、その広場や時計としてこれからも競馬ファンに愛される存在となること間違いありません。
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