大阪のベッドタウンとして住宅街が広がる奈良県生駒市には、かつて色街としても賑わった宝山寺の門前町があります。
京都駅から近鉄電車に乗り、大和西大寺駅で京都線から奈良線に乗り換えます。学園前駅など、閑静な住宅街が続く沿線の風景を眺めること数分、生駒駅に到着です。
生駒駅を降りて歩くこと数分、生駒ケーブルの鳥居本駅に到着します。
ケーブルに乗って7分ほど経過すると、宝山寺駅で下車します。宝山寺までは複線。さらに別に、宝山寺~生駒山上遊園地までのケーブルもありますが、こちらは単線となっています。
宝山寺駅で下車し、山に向かって左手に続く道を歩いていきます。古くから続く門前町とあって、昔ながらの街並みが続きます。
宝山寺の門前町には、このように旅館が数多く並びます。これら全てかどうかは不明ですが、ここもやはり、かつては遊郭として営業が行われていたという記録が残されています。
様々な料理旅館が建ち並び、異世界に来た気分にさせてくれます。ケーブルに乗っていくということも、シチュエーション的には非常に良いと言えるでしょう。
ディープな感じはありながらも、メインストリートはお洒落で、廃れた感じは全くありません。もっと観光地として有名になってもおかしくないような気もしますが、観光地に恵まれている奈良県下においては埋もれてしまうのでしょうか。
こちらの建物はいかにもといった感じで、やはり古くから続く遊郭の面影を残していることを確認できます。
石畳の階段がとても綺麗です。坂があり、カーブありというのも、趣のある街並みの要素と言えるのではないでしょうか。
そして路地もあります。宝山寺に続く道から横に伸びており、眼下には生駒のニュータウンを望むことができます。
生駒というと大阪のベッドタウンでニュータウンが広がっているというイメージがあったので、このように古くからの町並みも残されているのは意外な気もします。
お寺、旅館、路地、そして廃屋とディープな要素が詰まった町、宝山寺門前町。
せっかくなので宝山寺にも行ってみましょう。宝山寺は別名、生駒聖天。生駒山は山岳信仰の対象であり、あの空海も修業したと言われています。
宝山寺参道
般若窟
多宝塔
宝山寺付近から生駒山までは、ハイキングすることも可能です。
帰りはメインストリートを左に曲がり、細い道を通ります。
これで生駒の旅館街を一周したことになります。
「十八歳未満の方は入店を・・・」と書かれた看板を見ると、表向きは料理店や旅館だけど・・いうパターンであることが分かってしまいます。
今でも性接待が行われているお店もあるようです。
この辺一帯は「観光生駒」という名称がついており、旧遊郭に端を発する旅館や料理店だけでなく、ハーブ工房やお蕎麦屋さんなどもあります。
景色も良く、お寺参りのついでにお食事するのも良いのではないでしょうか。
それにしても、この看板は非常にインパクトがあります。異世界への出入り口といったところでしょうか。
奈良県の旧遊郭は、数年前に訪れて記事にしているので、そちらもご覧ください。
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