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全国の茅葺民家が見学できる服部緑地にある日本民家集落博物館が渋かった




大阪府豊中市にある服部緑地の中に、日本民家集落博物館という屋外博物館があります。

ここには近畿地方を中心に、日本の伝統的な民家がこの地に移転され、家屋の外観や中の様子を見学できるようになっています。

この日は休日ということで、住宅街の中にある服部緑地には、ファミリーやBBQを楽しむ若者、スポーツ少年でにぎわっていましたが、ここ日本民家集落博物館は有料ということもあってか、ひと気がなくとても静かでした。

500円の入場料を払って中に入り、最初に見えてきたのは立派な茅葺の民家です。

こちらは能勢の民家です。大阪府の能勢地方や、京都府や兵庫県の能勢に近い地域でもよく見られるということです。一つ一つの民家にはこのように、説明書きの看板が設置されています。

続いて見えてきたのは巨大な茅葺の屋根です。建物の背が高く、屋根の角度がとても急です。

こちらはかの有名な白川郷の合掌造です。屋根が手のひらを合わせた合掌のように見えることからそう呼ばれるようになったそうです。

中もとても立派で、囲炉裏も当時のものが現存しています。

3階まであり、1階は居住地、2階と3階は養蚕の作業場だったということです。

次にどこへ行こうと、通路を散策します。看板を見ると様々な民家が案内されており、全部見て回るのもひと苦労といった感じです。

次に見たのはこちらの渋い建物。奈良の十津川によくある民家ということです。屋根が茅葺ではなく、この地域が杉の産地であることから、杉皮や杉板が使用されているそうです。

次は豪雪地帯でも知られる信濃秋山の民家です。茅壁が特徴的で、床張りをせず、地面にムシロを敷いただけの土座住まいだったといいます。※ムシロ(莚)とは、藁やイグサで編んだ簡易的な敷物

博物館にあるのは民家だけではありません。堺の風車も展示されています。堺市の石津地区では、大正後期から戦後にかけて浜風を利用して、灌漑用の水を汲み上げていたそうです。

こちらは大阪豊中から遠く離れた鹿児島の奄美大島の高倉です。風通しが良く、奄美大島の高温多湿な気候にも耐え、米や干物、着物などを保存していたそうです。

次は北河内の茶室。こちらは茅葺がメインですが、瓦葺きと銅板葺きが併用されており、少し独特の印象を受けます。

日本民家博物館の建物は、ほとんど茅葺きで、茅葺が日本の伝統的な屋根であることを思い起こさせてくれます。

越前敦賀の民家の中には、茅葺の模型が展示されていますした。木の骨組みがとても複雑で、職人さんたちの苦労を見て取れます。

次に訪れたのは小豆島の民家、ではなく歌舞伎舞台です。村人たちが田植えを祝う春の祭りなどで歌舞伎芝居を演じたといいます。

次は南部の曲屋。岩手県盛岡市の民家で、母屋とうまやがL字型につながっていることからこのような名前が付けられたといいます。

この辺でトイレ休憩。トイレも古民家風の建物で、博物館の徹底ぶりがわかります。

こちらは大阪・堂島の米蔵です。瓦葺きで土蔵造り、白漆喰で仕立て上げられた見事な蔵です。

管理棟横を抜けて、出入口に向かいます。実はこの木造の管理棟も、板倉という伝統的な木造技術が用いられており、東日本震災後の仮設住宅として利用されていました。

大阪北部地震により、もともとあった管理棟が使用できなくなったことから、2019年に移築されたそうです。

以上が日本民家集落博物館のレポートです。今回すべて伝えきれませんでしたので、近くに住まわれている方は、実際に訪れてみてはいかがでしょうか。

 

最後にマップを掲載しておきます。これだけの数の古民家、建物を維持管理しようとすると、かなりの費用がかかるようです。当然、茅葺も定期的な葺き替えが必要でしょう。公費でも賄われているのでしょうが、入場料や寄付金も大切になるようで、募金箱が設置されていました。

やや穴場的な場所であまり目立ちませんが、訪れてみる価値は十分に有ります。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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